Q1. 土壌の炭素貯留と地球温暖化には、どのような関係がありますか?
A1.
農地の生産力を維持するには、堆肥や緑肥をすき込むなどの有機物管理が重要です。
有機物管理により、土壌に有機物がすき込まれると、土壌有機炭素(SOC)が蓄積されていきます。
このSOCは、もともと植物が光合成で大気から吸収した炭素に由来するので、SOCが増えるということは、大気のCO
2
が減少することを意味します。その分を「土壌がCO
2
を吸収した」と表現します。大気中のCO
2
を減らすわけですから、SOCを増やすことは地球温暖化を緩和する効果があるといえます。この現象を「土壌の炭素貯留」と呼ぶこともあります。
下図のように、大気~陸上植生~土壌の3つの炭素プール(貯蔵庫)の間を炭素が循環しており、陸上植生の炭素量が変わらないと考えると、土壌の炭素の増加分は、大気の炭素(つまりCO
2
)が減少した分、と理解することができます。